地域医療ニュース

「脳トレ」の川島隆太教授を迎えて
茂原市で健康フォーラム2013が開催

2013. 09.19   文/梅方久仁子

糖尿病も高血圧も、症状が出たときには重症だ

 糖尿病は、膵臓から出るインスリンというホルモンの働きが不足して、血糖値が高い状態が続く病気だ。最初はほとんど症状がなく、症状が出たときには非常に重症だ。目、腎臓、末梢神経などに障害が出る。日本の失明原因の一位は糖尿病の放置だ。腎臓障害がひどくなると透析になる。また、足の動脈が詰まると壊疽(えそ)を起こす。糖尿病の人は、認知症やがんにもなりやすい。

壊疽(えそ)の例

 糖尿病の治療法は、肥満と同じで食事と運動だ。いい薬もたくさん出ている。重症例にはインスリン療法を行う。

 次に高血圧の話。動脈硬化で大動脈の弾力性がなくなると血圧が上がってくる。血圧が高くても特に症状はでないが、放置すると動脈硬化を起こし、脳、心臓、腎臓などに障害が出る。血圧の正常値は、上が140未満、下が90未満となっているが、いまは早期介入するようになり、上が130、下が85の状態が続けば、薬による治療に踏み切ることがある。

 高血圧の予防には、減塩をこころがけ、太りすぎないようにすること。バランスが良い食事を摂り、ストレスをためない。適度な運動をして、アルコールはほどほどにして、禁煙する。減塩は大切だが、減らすのはつらいため、不可能に近い。治療法としては、生活習慣を改善して、薬を飲むことになる。