地域医療ニュース

第2回高齢社会を考えるシンポジウム「千葉大学と超高齢社会」が開催

2013. 07. 08   文/梅方久仁子

井出博生 氏
井出博生 氏

 続いて、客員准教授・井出博生氏から「千葉県における医師数とその動態」についての研究発表が行われた。

 全国都道府県で人口あたり医師数を見ると、京都府が最高で埼玉県が最低だ。千葉県は45位で京都府の6割くらいになる。しかし、高齢者の医療需要は若年世代より高い。65歳以上人口、75歳以上人口あたりで医師数を見直すと、差は2倍以上になる。さらに二次医療圏あたりでは、全人口あたり医師数は全国で15倍くらいの地域差がある。高齢者人口あたりでは20倍以上にもなる。

人口10万人あたりの医師数の都道府県比較を見ると、京都府が最高で埼玉県が最低。千葉県は45位。(クリックすると拡大します)

 厚生労働省の医師・歯科医師・薬剤師調査によれば、千葉県の医師数は1998年には8100人、2010年には1万6000人と増加している。その内訳を詳しく見ると、千葉県内での移動はほぼ一定で、首都圏外から千葉県に入ってきた人が増加している。医師数を増やすには、首都圏外からの移動と新人の確保に注目するべきだと報告。

 また、看護職員には同様のデータがないため、県内で独自にアンケート調査を行った。3000人から回答を得たので、それをもとに今後研究を進めたい。また、他の医療資源についても、情報の可視化に取り組んでいきたいと発表した。