地域医療ニュース

自分の住む地域の医療について考えてみよう!

がんと地域医療をテーマにした医療フォーラムが
長生郡市で開催

2011.12. 27   

城西大学 伊関友伸教授
城西大学の伊関友伸教授

専門家の目から見た
地域医療のあるべき姿とは?

 休憩をはさんで開かれた第2部のテーマは「地域医療 再生への処方」。講演するのは、全国の地域医療の現状をつぶさに見てきた城西大学経営学部マネジメント総合学科の伊関友伸教授である。

 伊関教授は講演のタイトルを「地域医療再生への処方箋」とし、地域医療の現状と未来への展望に関して、途中クイズや自身が倒れて手術を受けたときのエピソードなどを交えながら1時間以上熱弁を振るった。手始めに解説したのが全国で起きている問題である。

 現在、医師不足の深刻化が非常に問題になっており、それは千葉のみならず全国的に社会問題化しているという。その要因として、国が医師数の抑制政策をとってきたこと、医療の高度化・専門化により複数の医師でひとりの患者を診なければならないこと、また、インフォームドコンセント(患者に対する十分な説明と同意)が導入され医師の仕事が増えたことなど、さまざまなことを列挙。

伊関教授が示したデータでは、常勤医師の1週間あたりの勤務時間は平均で66.4時間。
医師が少ない病院では当直日数は飛躍的に増加する。

 加えて、高齢化の進展とともに患者や病院で亡くなる人が増加し、その結果、少ない医師数で多くの仕事をしなければならず、医師の労働環境は悪化。とりわけ、医師不足が深刻な産科、小児科、救急の現場では、医師はほとんど過労死寸前の状況に追い込まれているという。また、病院にも、専門性が高く医師を呼び込んで成長するタイプと、そうでない衰退型という二極化が進んでいるという。