地域医療ニュース

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がんと地域医療をテーマにした医療フォーラムが
長生郡市で開催

2011.12. 27   

対象年齢に達したら、必ずがん検診を受けよう

茂原市の柳川信子保健師(左)と長生村の川島千秋保健師
茂原市の柳川信子保健師(左)と長生村の川島千秋保健師

 一方、講演3のテーマは「各市町村でのがん検診の取り組みについて」。実際に検診の現場に立つ茂原市の柳川信子、長生村の川島千秋両保健師が、長生郡市におけるがん検診の取り組みについて語った。

 長生郡市でがん検診が始まったのは1983年(昭和58年)だという。また、2000年にマンモグラフィー、2002年に超音波を取り入れたように、全国的に見ても乳がん検診は早いほうだという。さらに、2009年から、子宮がん、乳がんの無料検診もスタートした。一方で、2009年の死因別死亡状況では、がんは29%となっており、また、医療費に関しても実に5市町村でがん関係の医療費が10%を超えているという。

長生郡市のうち、5市町村でがん関係の医療費が10%を超えている。

 現在、長生郡市7市町村では、胃がん、乳がん、子宮がん、大腸がん、肺がん、そして前立腺がんの検診が実施されている。たとえば、胃がん検診は40歳以上の男女が対象で、バリウム検査を行う。2010年には8477人が受診し、うち19人にがんが発見された。また、大腸がん検診では受診者1万2094人中、精密検査が必要だとされた人は945人。そしてその結果、22人にがんが発見されたという。ほかのがんの検診でも同様に、がん患者が発見されている。

 このように、地域ではがん検診が精力的に行われてはいるものの、受診率はいずれも2?4割と低く、とりわけ若い世代の受診率が低いのが課題という。検査を受けない理由として、「若くて問題ないと思う」「仕事が忙しいし休めない」「子どもを預けられない」などさまざまな要因が挙がったが、がん患者数は増えているのが実情だ。

 「対象年齢になったらまずがん検診を受けること。そして、一度限りにせず継続して受けることが重要であり、また、精密検査が必要だとされたら必ず受診してほしい。もちろん、何らかの自覚症状があったら必ず受診すること」。こう訴え講演を締めくくった。