医療者から見た地域医療のいま

現場の人間が集まって
必要な情報を受け渡せる「連携パス」を

2012. 11. 02   文/梅方久仁子

東京湾岸リハビリテーション病院 院長 近藤国嗣 氏
東京湾岸リハビリテーション病院 院長 
近藤国嗣 氏

 地域医療連携パスは、医療連携によって、患者さんが病院を移っても変わりない医療が受けられるようにするためのツール。千葉県では、なるべく多くの医療機関が共通のパスを利用できるように、全県共用の地域医療連携パス(「千葉県共用地域医療連携パス」)の普及を進めている。今回、そのワーキンググループに参加して脳卒中連携パスの作成に携わった東京湾岸リハビリテーション病院の近藤国嗣院長に話を伺った。

「回復期病院が中心となって
主導したほうがうまくいく」

全県共用の地域医療連携パス(以下、「連携パス」)の作成に関わるようになった経緯を教えていただけますか。

近藤 診療報酬で認められるようになり、2008年4月頃から脳卒中の連携パスがたくさん出てきました。そのほとんどは急性期病院がパスシートを作って回復期病院に参加を呼びかけるスタイルのものだったので、私たち回復期病院は、あっという間に5、6個のパスに加わることになりました。

 医療保険では、連携パスに参加する医療機関は1年に3回、顔を合わせて会議をするように規定しています。何個ものパスに加わると書類の種類が増えるのはもちろん、出席する会議の数が膨大になってしまいます。

 また、急性期病院が作ったパスシートには、私たち回復期病院が知りたい情報が書かれていないことが、しばしばありました。

 これらの問題を解決するには、どうすればいいだろう。そう思っていたところ、連携パスでは有名な熊本市民病院の橋本洋一郎先生が、「脳卒中の連携パスは、急性期よりも回復期が主導したほうがうまくいく」と話しておられることを知りました。それなら私たち回復期病院が中心になって、急性期から回復期への連携パスを作ってみよう。そう考えて、この周辺の回復期病院が8つほど集まり、自分たちでパスを作ることにしました。2008年8月の終わり頃のことでした。

 ところがその直後に、千葉県から「4疾病の全県共用のパスを作りたいので、手伝ってくれないか」という話が舞い込んできました。まさにグッドタイミングで、回復期側の責任者として、私が県のワーキンググループに入ることになったのです。