地域医療ニュース

千葉市の医療について考える連続シンポジウム第1回
「千葉市の医療の“いま”を考えよう ?救急の現場から見えてくるもの?」が開催

2013. 04.03   文/梅方久仁子

緊急度による判断が必要

 次に「救急の現場から見えてくるもの」をテーマにパネルディスカッションが行われた。コーディネーターは、千葉大学医学部附属病院副病院長・高齢社会医療政策研究部長の高林克日己教授。パネリストは、千葉市医師会理事の中村眞人氏、千葉市消防局警防部救急課係長で救急救命士の梅澤哲雄氏、千葉市立青葉病院救急科医師の篠崎広一郎氏の3名だ。

コーディネーターを務める、千葉大学医学部附属病院副病院長・高齢社会医療政策研究部長の高林克日己教授。
千葉市医師会理事 中村眞人氏

 まず、パネリストがそれぞれの立場から、現状説明を行った。
 医師会理事の中村氏からは、医師会が担う初期(1次)救急の夜間救急診療(夜救診)と休日救急診療所(休日診)についての紹介があった。「夜救診」「休日診」ともに受診者数が増加傾向にあるが、医師の高齢化もあって肝心の当番医の確保が困難になっている。あくまで応急手当ての場なのに、平日昼間の診療と同じレベルの医療サービスを求められる傾向がある。また、軽症で平日受診可能な人がたくさん利用している。医師は夜間勤務の翌日は休みではない。夜間救急診療と休日救急診療所は、医師の過重労働で成り立っている。救急医療を守るために医療資源には限りがあることを理解し、協力してほしいとのことだった。