地域医療ニュース

いすみ市で「糖尿病」や「塩分・お酒と食生活」について考える健康公開講演会が開催

2013. 02.27   文/梅方久仁子

 2012年4月から12月までの8カ月間に腎症II期の患者の一部にこのプログラムを実施した。従来の治療法のみでは症状が進む人があったが、プログラムを追加した人は全員重症化を抑えられ、中には腎機能が改善した人もいた。
 さらに、より重症の腎症III期でも、減塩プログラムに腎機能改善効果がある薬GLP-1を利用すると、重症化予防効果があった。
 患者さんと家族ががんばって減塩し、医療スタッフがそれを支援すれば、糖尿病の重症化予防は可能だ。

お酒は賢く飲む

東京大学大学院医学系研究科・佐々木 敏 教授

 次に、東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻・社会予防疫学分野教授の佐々木敏氏による特別講演が行われた。題は「科学的な根拠に基づいた、食習慣の考え方・取り組み方」。概要を以下に報告しよう。

 ワインを飲むと健康にいいと言われていて、実際にワインを飲む人は死亡率が低いという調査結果がある。しかし、別の調査によれば、ワインを好む人は、果物や野菜をよく食べる傾向がある。ワインを飲む人の死亡率が低いのは、ワインだけが健康にいいわけではなく、ワイン以外の食生活が影響していると考えられる。

ワインを好む人は、果物や野菜をよく食べる傾向がある。(クリックすると拡大します)
ワインを飲むと健康にいいと言われているが、その秘密はワインの中より、むしろワインの周り(ワインのある食卓)にある。 (クリックすると拡大します)