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いすみ市で「糖尿病」や「塩分・お酒と食生活」について考える健康公開講演会が開催

2013. 02.27   文/梅方久仁子

千葉県のある市では、透析患者が150人(市人口の0.3パーセント)増えて、市の総医療費の10パーセントを占めることになった。(クリックすると拡大します)

 糖尿病を早く見つけて、重症化する前に手当てをする必要がある。いすみ市では2年前から、特定健診の年齢の繰り下げと検査項目の追加、治療中断を防ぐための保健師訪問など、さまざまな取り組みを進めてきた。
 しかし、糖尿病を早期に発見するだけでは追いつかない。すでに糖尿病になっている人を重症化させないことが重要だ。厚生労働省は重症化予防を進めるために、診療報酬として糖尿病透析予防指導管理料350点(3500円)をつけることにした。

減塩に着目して腎症重症化を予防

 糖尿病性腎症の悪化を食い止めるには、血糖コントロールだけではなく、塩分制限が大切だ。東金病院では、昨年4月から、看護師、栄養士、薬剤師など多職種が加わったさまざまなチームで、効果的な予防方法を検討した。そこでできあがった糖尿病性腎症患者支援プログラム“TOGANE”を紹介する。
 まず、患者が自分の腎臓の状態を把握できるように、検査値から腎症の段階が分かる表を作成した。また、これまで栄養指導室で1対1で行っていた栄養指導を、栄養士が待合室に出向いて減塩レシピを配りながら説明することにした。患者は栄養指導のために待つ必要がなくなり、毎月変わる減塩レシピを楽しみにしてくれている。さらに、どの食品がどのくらいの量で塩分1グラムになるかが簡単に分かる「あいうえお塩分表」を配布して、患者や家族が自分で塩分量をコントロールしやすいようにした。

「あいうえお塩分表」では、塩分1グラムを摂取する際の食品の量が分かる(クリックすると拡大します)