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2019.08.28

生活習慣によって起こる病気「胃食道逆流症」

胃食道逆流症とは

胃の内容物が逆流してしまうことを胃食道逆流現象と呼びます。通常は食道から胃に送られた食物が逆流することはあまりありません。正常な場合は、食道と胃の間に逆流を防止する仕組みができています。胃食道逆流症は、主に胃の中の酸が食道へ逆流することによって、胸やけや酸っぱい液体が上がってくる呑酸などの不快な症状を感じたり、食道の粘膜がただれる食道炎が起こる病気です。
症状としては、胸に詰まるような痛みを感じます。さらには、のどの違和感、慢性的に咳が持続する場合もあります。胃酸の逆流は、食後2~3時間ほどで起こることが多いため、食後にこれらの症状を感じた場合は、胃酸の逆流が起きている可能性があります。胃食道炎は、生命にかかわる病気ではありませんが、食事が十分に楽しめなくなったり、ぐっすり眠れないなど、日常生活に影響を及ぼすため、適切な処置をする必要があります。生活環境を見直し、薬を服用することで、多くの方は症状が解消されます。日本では欧米に比べて頻度の低い病気と考えられていましたが、近年では、胃酸を分泌する能力が高くなり、ピロリ菌の感染率が減少したため、発症する人が増加しています。
また、胃食道逆流症が原因となって、胸痛、慢性的なせき発作、ぜんそく、慢性的なのどの炎症、のどの上部(喉頭)のポリープ、睡眠障害などが起こる場合もあるため、注意が必要です。

胃食道逆流症の原因と種類

胃は、胃酸を分泌することで、食物の消化を助けています。胃の壁は、胃酸が直接触れないように粘液で守られているため、胃が胃酸で消化されることはありません。しかし、食道の胃酸に対する防御機能が弱いため、食道に逆流した胃酸によって食道の粘膜は簡単に傷ついてしまいます。食道が長い間酸にさらされると、食道の粘膜がただれていき、逆流性食道炎が起こります。重症になると、胃酸の逆流時間が長くなります。
健康な人は、逆流した胃酸が食道の食べ物や飲み物を食道から胃に送る働きによって、すぐに胃に戻されますが、胃食道逆流症になると、この働きに問題が生じ、胃酸が食道に溜まってしまうことがあります。また、胃と食道のつなぎ目が上にせり上がる「食道裂孔ヘルニア」があると、胃酸がより食道に逆流しやすくなり、食道に長時間とどまってしまいます。
また、胸やけ、呑酸などの逆流症状を感じるのは胃酸の逆流ばかりではなく、空気や酸度の弱い胃液が逆流することでも、逆流症状が起きる場合があります。非びらん性胃食道逆流症の場合は、食道の知覚過敏があり、わずかな胃酸の逆流や、酸度の弱い胃液の逆流でも強い自覚症状を感じる場合があります。

■胃食道逆流症の種類

1. 食道炎がなく、自覚症状のみがある(非びらん性胃食道逆流症)
2. 食道炎があり、かつ自覚症状がある
3. 食道炎のみがあり、自覚症状がない(逆流性食道炎)

胃食道逆流症の予防・治療法

日本では食生活の欧米化によって胃食道逆流症が増加傾向にあります。予防のためには食生活などの生活習慣に気をつけることが大切です。食べすぎ、就寝前の食事、高脂肪食、アルコール、チョコレート、コーヒー、炭酸飲料、柑橘類などが、胸やけを起こしやすくなることがあります。これらは、胃酸の分泌が多く成ったり、胃と食道のつなぎ目が緩みやすくなるため、胃酸が逆流しやすくなります。また喫煙は多くの病気に関わっていますが、胸やけも起こしやすくなると言われています。胃食道逆流症を起こす原因は、人によってさまざまですが、食生活、生活習慣を見直すことで予防につながると言えるでしょう。
治療方法としては、胃酸分泌抑制薬による内服治療が行われます。重症の場合は、薬を服用しないと食道炎が悪化して出血したり、食道が狭くなる場合があります。それほど重症でない場合は、自然に治ることもあります。胸やけ症状がある場合には、薬を服用するとよいでしょう。万が一、びらん性食道炎と診断された場合には、他の病気について調べることが大切です。女性で重症型の逆流性食道炎がある人は、膠原病を合併している可能性があります。また、中年男性の場合には、肥満が食道炎の原因になっていることが多いです。高齢女性の場合は、骨粗鬆症のために背中が丸く曲がってしまった状態となり、胃を含むお腹が圧迫されている可能性があります。
疑われる場合は、かかりつけ医に相談して、適切な処置を受けるようにしましょう。生活の中で、胃逆流性食道炎の原因となりそうなものがある場合には、避けることを意識してみましょう。

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