健康トピックス

2013.07.09

かき傷やすり傷から「とびひ」にならないために

「とびひ」とは

とびひの正式な病名は伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)といいます。細菌が原因で感染する皮膚の病気です。触れるとほかの場所にうつり、火事の飛び火のようにアッという間に広がるので、一般的にとびひと呼ばれています。

とびひには、水ぶくれができるタイプと、厚いかさぶたができて炎症が起きるタイプがあります。水ぶくれができるタイプは黄色ブドウ球菌が原因となり、乳幼児や小児がかかります。季節的には汗をかきやすくて細菌が繁殖しやすい夏に発症します。黄色ブドウ球菌は、どこにでもいる菌のひとつで、人の鼻の穴や耳の穴、のど、皮膚などに潜んでいます。健康な時は大丈夫ですが、あせもや虫刺され、湿疹などをひっかいたり、擦り傷切り傷が化膿したところに菌が入り込んで繁殖します。

一方、かさぶたができるタイプは溶血性連鎖球菌(溶連菌)が原因になります。子どもよりも大人に多く見られ、季節に関係なく発症します。症状は、紅い斑点や米粒大の膿、厚いかさぶたができて、発熱やのどの痛みなどを伴う場合もあります。最近ではアトピー性皮膚炎の人が、このタイプのとびひにかかることが増えてきました。

とびひになったら

とびひは早いうちに適切な処置をすれば、短期間に治すことができます。しかし、放っておくと症状が悪化し、小児腎炎などの合併症を引き起こすことがあります。また、伝染力が強いので人に感染してしまいます。「とびひ」には抗生物質が効果的ですので、「とびひ」かな?と思ったら、すぐに皮膚科か小児科を受診しましょう。

とびひにかかったら、日常生活では皮膚を清潔に保ちましょう。お風呂は湯船につからずシャワーの方がいいでしょう。患部は洗っても大丈夫なので、石鹸を泡立ててそっと洗ってください。家族にうつさないように、入浴は最後にし、タオルや衣服は共用しないようにしてください。

とびひは学校感染症の第3類に分類されます。通常は学校を休ませる必要はありませんが、症状がひどい場合は医師とよく相談しましょう。また、プールは完治するまで入らないでください。

とびひを予防するには

・ 毎日入浴し、清潔に保ちましょう。

・ 爪は短く切って皮膚を傷つけないようにしましょう。

・ あせもや湿疹、虫刺されなどは、かきむしらないように注意しましょう。

・ 黄色ブドウ球菌は鼻の中にも潜んでいます。鼻をほじるクセのある子は、早めに直すようにしましょう。

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