医療現場からの提言

2019年

vol.01 痛風の概要と予防・対策

痛風について教えてください

鈴木:

痛風は一般的な呼称ですが、高尿酸血症を背景として発症する急性関節型と腎障害型で出現する痛風腎や腎結石などがあり、単に血液検査異常として捉えられるレベルと区別する必要があります。

高尿酸血症は血清尿酸値が7.0mg/dl(ミリグラム・パー・デシリットル)を超えるものと定義され、その頻度は30歳以後の男性は30%以上と推定されています。

どんな形で発症するのですか

鈴木:

高尿酸血症を基礎に発症する尿酸塩沈着症であり、痛風関節炎(痛風発作)、皮下結節(痛風結節)、腎障害(痛風腎)、尿路結石などの種々の段階で多彩な形で発症します。

痛風関節炎は両足の母指足根中足関節に罹(り)患しやすい特徴があり、激痛を発します。

対策について教えてください

鈴木:

内服薬の服用が主ですが、難解な部分が多く専門医の指示を要します。基本的には十分な水分摂取が重要ですが、平素からの主治医が必須です。

既往があり、痛風発作の前兆がある場合にはコルヒチン1錠(0.5mg)の服用、発作の極期にはボルタレン錠等のNSAIDS 1~2錠を胃薬と併用するのも応急的には良いと思います。

痛風高尿酸血症は肥満、高血圧、脂質代謝異常などの併発が多く、平素からのメタボリックシンドローム(生活習慣病)の改善が重要です。

薬物療法は新薬も多く見られ、併用による弊害も多く、主治医の指示が必須であると思われます。

痛風による足指の激痛は経絡針でも迅速に除痛が可能ですのでご参考までに。

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