地域医療再生プログラムとは?

第3回 香取海匝保健医療圏の
「地域医療再生プログラム」その1

?一極集中を解消するために自治体病院を再編ネットワーク化?

2011.10.12   文/桶谷仁志

 この医療圏の医療サービスの提供状況は、どうなっているのでしょうか。圏内には22病院が存在しますが、そのうち7病院が自治体病院であり、その病床数、診療科数、医師数は下表のとおりとなっています。表からも分かるように、2008年(平成20年)に休院した銚子市立総合病院は、この圏内の主要な自治体病院の1つでした。同病院は、2010年(平成22年)5月6日から銚子市立病院と名称を変更して診療を再開していますが、現状の診療科目は内科、外科、整形外科、皮膚科、泌尿器科、眼科、耳鼻いんこう科の7科目で、以前の16診療科体制に比べて規模がかなり小さくなってしまいました。

香取海匝保健医療圏内における自治体病院の病床数・診療科数・医師数
(画像をクリックすると拡大します)

 自治体病院の中でも、圏内の中核病院として非常に大きな役割を果たしてきたのが旭中央病院です。例えば、2008年(平成20年)4?5月に千葉県が実施した救急搬送実態調査によれば、圏内の消防機関が搬送した救急患者の45.1%を、旭中央病院が受け入れています。規模からみても、現在、同病院は989床、医師数約250人、36診療科を持つ全国有数の大規模病院です。診療や救急の中核となっているばかりではなく、圏内の自治体病院への医師派遣までも行っています。そんな“頼みの綱”と言ってもいいのが旭中央病院なのです。