地域医療再生プログラムとは?

第3回 香取海匝保健医療圏の
「地域医療再生プログラム」その1

?一極集中を解消するために自治体病院を再編ネットワーク化?

2011.10.12   文/桶谷仁志

全国の自治体病院の患者数の比較(画像をクリックすると拡大します)

 上の表は、旭中央病院の患者数を、全国の自治体病院の患者数と比較したものです。旭中央病院は1日平均入院患者数で全国2位、1日平均外来患者数で全国1位です。しかも、一日平均外来患者数では2位の大垣市民病院の1.5倍なっています。

 これにともない、近年の病床利用率はずっと95%前後で推移し、手術室の稼働状況もほぼ限界に近い状態です。

解決のカギは「役割分担、再編・ネットワーク化」

 この危機的な状況を改善し、持続可能な地域医療を再構築するためには、どのような解決策が考えられるでしょうか。千葉県地域医療再生プログラムが目指す解決策は「医療機関の役割分担、再編・ネットワーク化」です。

 これまでの自治体病院は、自治体ごとにそれぞれ「総合的」な診療機能を整備してきました。その結果、旭中央病院を除けば、中程度の規模の自治体病院が並立し、患者数の低下、病床利用率の低下、医師数の減少といった同じような経営課題を抱えています。

 「医療機関の役割分担、再編・ネットワーク化」によって、圏内の限られた医療資源の効率的な配分・活用が実現すれば、多くの危機が回避され、課題が解決されるはずです。
 次回は、この「医療機関の役割分担、再編・ネットワーク化」について詳しく見ていくことにしましょう。