医療者から見た地域医療のいま

いすみ市が存続していくために医療費を抑える
糖尿病予防事業について、市長に聞く

2011.11.02   文/梅方久仁子 写真/中西 昭

自覚症状がないので悪化する

いすみ市は、特に糖尿病が多いのでしょうか。

太田 糖尿病は全国的に問題になっているようですが、いすみは確かに多い傾向にあると思います。現在、国保のレセプト(診療報酬明細書)を解析して、実際に糖尿病関連の患者がどのくらいいるのか、経年変化はあるのかといった調査を進めているところです。

 このあたりで糖尿病が多い理由ははっきりしませんが、自覚症状がないから病院には行かない。どんどん悪化して60歳くらいになって、どうも最近具合が悪いと病院に行ったら、重症の腎症だとわかって、すぐに人工透析。こういうパターンが多いんです。

熱意が伝わって、みんなが動き始めた

今回、糖尿病対策事業を打ち出されて、周囲の反応はどうでしたか。

太田  私には「やるしかない」という思いがあったので、まずは予算を取ってスタートしました。

 医師会長にお会いして「40代で透析をしなければいけない人が出ています。これは大変なことですよ」と説明したら、こちらの熱意が伝わったのでしょう、「それは確かに何とかしないといけませんね」と、わかっていただけました。

 医師会の先生方には、かなり前向きにご協力いただいています。市役所の担当者も、地域の医師に説明に回るなど、熱心に動いてくれています。市と地域の医師会がうまく連携して、プロジェクトが順調に動き出しました。