地域医療ニュース

「本当に必要なときに救急車が来ない」という事態を避けるために、みんなができることは?

2013. 02.14   文/梅方久仁子

 それぞれに事情はあるが、できれば不要な救急要請は避けたいもの。千葉県では、夜間に子どもの具合が悪くなったときに相談できる電話相談窓口がある。迷った場合は、まずここで相談しよう。高齢世帯では、いざというときのことを、普段からかかりつけ医や家族と相談し、タクシー会社の電話番号などを控えておくといいだろう。

千葉県小児救急電話相談事業

相談日時 毎日夜間、午後7時から午後10時まで

電話番号 プッシュ回線の固定電話・携帯電話からは #8000
ダイヤル回線、IP電話、光電話、銚子市からは 043-242-9939

 しかし、出動件数が増える理由は他にもある。最近は緊急とは思えない軽い症状で気軽に救急車を利用する人が増えているのだ。

 搬送者数を程度別に見ると軽症者が4割以上で、ここ数年は40%台後半だ。軽症とは入院が必要ない場合で、例えば骨折でも処置が済めば帰宅できるため、軽症イコール救急車が不要というわけではない。ただ、救急隊員の実感として、軽症の5~10%は「風邪をひいた」など、どうみても緊急性がないという。医師からも「なぜこの程度で救急車なの?」と言われることがあるそうだ。

救急搬送者の推移。いちばん左の青い部分が軽症者の数(クリックすると拡大します)