地域医療ニュース

市原市で「地域医療フォーラム~いちはらの大切な救急医療を守るために~」が開催

2013. 01. 08   文/梅方久仁子

 休憩のあと、いちはら健康アカデミーの卒業生で構成する「ここから劇団」が、寸劇「ストップ!コンビニ受診」を披露。前半で講師を務めた川越一男氏が、スペシャルゲストの医師役で登場した。誰もがついやってしまいがちなコンビニ受診の問題を分かりやすいストーリーで伝え、深刻な問題で緊張した会場を笑いで解きほぐした。

寸劇「ストップ!コンビニ受診」
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 プログラムの最後は、「救急医療を守るために私たちにできること」と題するパネルディスカッションだ。座長は市原市地域保健医療協議会会長の志村壽彦氏が務め、パネリストとして、前半講演を行った川越一男氏と藤本晴枝氏に、市原市議会議員・茂木理美子氏、市原市保健福祉部長・林純一氏、市原市消防局警防救急課救急救命係長・石井隆治氏の3名が加わった。

本当に必要なときのために救急車の適正利用を

 最初に市原市消防局の石井氏より救急搬送の現状が報告された。

 現在、市原市消防局には救急車は9台、救急隊員84名(うち救急救命士44名)が配置されている。昨年の救急件数は1万3042件で、約40分に1台稼働している計算になる。過去3年では毎年600件程度増加してきている。ただし、そのうち半数以上の52%が軽症で外来診療だけで帰宅した人だった。消防車には人口あたりの配置数の基準があり、昭和63年から台数は変わっていないが、出動件数は2倍以上になっている。さまざまな方法で適正利用を呼びかけているが、このまま安易な出動要請が増えると、本当に必要なときに救急車が到着できなくなる。救急車で病院に行っても、軽症だと診療は後回しにされる。緊急性がないときは救急車の利用を控えてほしい。