地域医療ニュース

山武郡市にて認知症についての
地域医療フォーラムを開催

2012. 08. 08   文/梅方久仁子

「山武方式」で
治療は慣れ親しんだ地域で

 治療は、慣れ親しんだ地域で暮らしながら受けるのがよく、そのためには、かかりつけ医が地域で治療できなくてはならない。高齢者が入院すると認知機能が落ちるので、回避できる入院はできるだけ減らしたい。

 この地域では、今年から「山武方式認知症病診連携」を開始した。これは中核病院と診療所における早期診断・早期治療のためのネットワークだ。

 山武方式では、地域全体が1個の病院で、診療所は病院の中の1つの科のように働く。

 病診連携に対して地域の医師が望むのは、「簡便」「待ち時間が少ない」「返信の充実」の3つだとわかった。それをかなえるために、浅井病院では病診連携専用外来を設置したという。活発に連携することで、参加する医師の認知症対応能力が向上していくのだそうだ。

 診療所には、少しでもあやしいという印象を持ったら、すぐに紹介してもらうように依頼しているとのこと。ただし、早期であるほど受診者の不安が強いので、本人を傷つけないように「そろそろ脳を一度チェックしてみては」など、提案や誘導の形で紹介するようにお願いしているという。

 この体制であれば、認知症ではないかと思ったときの相談は、かかりつけ医にしてもらって大丈夫だ。

地域全体が1つの病院で、診療所は病院の中の1つの科のように働くようにする。
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