地域医療再生プログラムとは?

第2回 2つのモデル地域と目指すべき地域医療の全体像

?医療機関のネットワーク化、救急医療体制の整備が2大目標?

2011. 9. 6   文/桶谷仁志

 この連載では、「千葉県地域医療再生プログラム」を、わかりやすい図表を中心にして解説していきます。今回は、千葉県の地域医療の課題と、プログラムによる取り組みの全体像を取り上げます。

千葉県は医療提供施設数、医師数が慢性的に不足

 千葉県は、人口620万人と、全国でも第6位の人口を持つ大きな県です。昭和40年代の高度成長期以降、主に東京都と隣接する東葛地域で人口が急増しましたが、医師を養成する県内の大学医学部は千葉大学医学部だけという状態が続いています。そのためもあって、県内の医療提供施設数、医師数は、慢性的に不足しています。

 図表1に示されたように、医療提供施設数、医師数ともに、千葉県は全国47の都道府県の中で45位となっています。こうした現状に、医療崩壊の流れが直撃し、医師不足等による病院・診療科の縮小・廃止という事態が発生しました。銚子市立総合病院はその典型的な例ですが、ほかにも、経営危機に瀕している県内医療機関は少なくありません。

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