健康トピックス

2020.12.21

喘息(気管支喘息)の原因と治療方法について

喘息とは

一般に気管支喘息のことを指します。喘息とは気候の変化、タバコの煙、ストレスなどのわずかな刺激に対して過敏に反応して、気管支に炎症が起き、気道が狭まり空気が通りにくくなって発作が起こる病気です。また喘息の症状が出ていないときでも、炎症は起きており、気道は正常の人に比べて狭くなっています。時には命にかかわるほど重症化することもあるので、早めに専門医を受診し、正しい対処方法を学びましょう。

喘息の原因とその症状

発作を誘発する原因は様々です。アレルゲンによるものとそうでないものの2つに大きく分けられます。

主な原因
アレルゲン ダニ、ハウスダスト、ペット(動物の毛やフケ)、花粉、真菌(カビ)など
アレルゲン以外 タバコ、薬(解熱剤や鎮痛剤)、風邪、感染症、過労、ストレス、激しい運動、汚れた空気(排気ガス、光化学スモッグなど)、天気や気圧の変化など

これらのような刺激を受けることで、咳や痰(たん)、息苦しさや「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった喘鳴(ぜんめい)や、のどに違和感を感じることがあります。もし下記のような症状が繰り返し続く場合は、喘息の可能性があるため、早めに病院を受診するようにしましょう。

主な症状
・息を吐く時にゼーゼー、ヒューヒューという音が出る
・夜間や早朝に咳や喘鳴の症状が出る
・咳や痰が出て息苦しくなり、時に話せないほどになる
・咳や、息苦しさが出て横になって眠れない
・運動した後、息苦しい

特に喘息の発作は夜間や早朝、季節の変わり目や気温差が激しいとき、天気がよくないとき、風邪をひいたときなどに起こりやすいのです。

喘息の種類と特徴

喘息の症状はさまざまな要因で起こります。その種類と特徴をよく理解し、それぞれに合わせた対応を取りましょう。

主な種類と特徴
アスピリン喘息 アスピリンや非ステロイド性消炎鎮痛薬によって起こる喘息発作のこと。市販されている解熱剤、鎮痛剤、総合感冒薬、湿布などに含まれている場合があります。
運動誘発性喘息 運動することで起こる喘息発作のこと。体質的に運動をすると呼吸の回数が増え、冷たい外気などによって気道が乾燥したり、冷えたりすることで発作が起こりやすい状態になる人がいます。
アトピー型喘息 ダニ、ハウスダストやタバコの煙、花粉など原因が特定できるアレルゲンが引き金になっているものを「アトピー型喘息」といいます。
職業性喘息 特定の労働環境で、職業に関連した物質を吸入することで発症する喘息のことです。

喘息の治療方法

慢性的に起きている気道の炎症を悪化させず、発作を起こさせないためにも、日ごろから体調管理を怠らず、生活環境を整えておくことが大切です。基本的な治療薬として、気道の炎症を抑えるために「吸入ステロイド薬」などを使用します。また原因となる刺激やアレルゲンを避けることも大切です。発作が起きてしまったら、気道を広げて呼吸を楽にする手助けになる「気管支拡張薬」などを使って、発作を鎮めることを最優先にします。副作用のある薬もあるので、かかりつけ医や専門医とよく相談し、適切に使用しましょう。また、症状が悪化し、改善が見られない場合は、速やかに医師の診察を受けましょう。

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