地域医療再生プログラムとは?

第5回 山武長生夷隅保健医療圏の
「地域医療再生計画」その1

?3次救急を担う救命救急センターがなく、
3人に1人の救急患者を圏外に運ばざるを得ない?

2011.12.07   文/桶谷仁志

 こうした状況の結果として、山武長生夷隅保健医療圏は、救急患者の医療圏外への搬送割合が、県内でも最も高い地域となっています。下表は、各医療圏からの救急搬送先を医療圏別に比較したものです。山武長生夷隅保健医療圏からの「圏外医療圏搬送率」は34%と、救急患者の3人に1人を圏外に運ばざるを得ない状況です。

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 このため、搬送にも時間がかかり、下のグラフに示されたように、救急搬送に30分以上かかる事例の割合は79.3%とほぼ8割に達しています。ほかの医療圏と比較しても時間がかかっていることが分かります。こうした救急医療体制を改善するためには、救命救急センターの整備など抜本的な対策が必要です。次回は、「地域医療再生計画」による対策を、具体的に見ていきましょう。

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