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2021.04.21

「手足口病」を知ろう

手足口病とは

手足口病は口の中や手足などに発疹がでるウイルス感染症です。乳幼児を中心に主に夏に流行します。大人がかかることもありますが、報告数の約9割を5歳以下の乳幼児が占めています。

感染してから3~5日後に発症します。典型的なものでは、軽い発熱、食欲不振、のどの痛みなどの感冒様症状で始まります。発熱はおよそ3分の1にみられますが、38℃以下のことが多いです。2日ぐらい過ぎた頃から、口の中や手足に2~3mmの小水疱が多発します。臀部、膝などに紅色の小丘疹がみられることもあります。発疹は1週間から10日程度で自然に治ります。発症から数週間後に手足の爪甲が脱落することもありますが、一時的なもので新たな爪甲がはえて自然に治ります。

手足口病にはワクチンや治療薬はありません。ほとんどが特別な治療をせずに回復します。口の中を痛がる場合は、刺激にならないよう柔らかめで薄味の食べ物がすすめられます。水分不足にならないよう、経口補液などで水分を少量頻回に与えるよう努めましょう。

ごくまれに、髄膜炎や脳炎などの重篤な合併症などを引き起こすことがあるため、保護者は子どもの症状を注意深く観察しましょう。「高熱が出る」、「発熱が2日以上続く」、「嘔吐する」、「頭を痛がる」、「視線が合わない」、「呼びかけに答えない」、「呼吸が速くて息苦しそう」、「水分が取れずにおしっこがでない」、「ぐったりとしている」などの症状がみられた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

手足口病の原因

手足口病を起こすウイルスはコクサッキーウイルスA16、エンテロウイルス71が主な原因ウイルスです。他にもコクサッキーウイルスA6、コクサッキーウイルスA10などのウイルスが原因になることもあります。手足口病にかかると、その病因ウイルスに対しての免疫は成立します。しかし、原因となるウイルスが複数あるため、一生のうち手足口病に複数回かかることもあります。

主な感染経路は、咽頭から排泄されるウイルスによる飛沫感染、接触感染、便とともに排泄されたウイルスが体内に入ることで感染する経口感染があります。

手足口病で注意すること

口内の発疹で食事がとりにくい、発熱、体がだるい、下痢、頭痛などの症状がなければ、学校を休む必要はありません。

手足口病は、手足の水疱が消えて、口の中の症状が治っても、便中には原因のウイルスが1か月以上の長い間出てきます。さらに、感染しても症状がなくウイルスを便と共に排泄している人もいると考えられています。流行阻止をねらって、発症した人だけを隔離しても効果はあまり期待ができません。手足口病は大部分が軽症であり、長期の欠席の必要はなく、現実的ではありません。

一般的な感染対策として、日頃からの手洗いが大切です。トイレで用を済ませた後やおむつ交換後はしっかり行いましょう。手洗いは流水と石けんで十分に行い、タオルの共用はしてはいけません。

保育園や幼稚園などの乳幼児の集団生活施設では、子ども同士の距離が近く、接触することも多いため、施設内での感染の広がりを防ぐことは困難です。多くの乳幼児は、ウイルスの感染経験がないため、感染した子どものほとんどは発症すると言われています。手足口病は軽い症状だけで治ってしまうことがほとんどです。しかし、手足口病にかかった子どもを注意深く観察して、合併症に注意をする必要があります。

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