健康トピックス

2020.10.19

腫れと痛みに注意したい女性の病気「バルトリン腺嚢胞・膿瘍」

バルトリン腺嚢胞・膿瘍とは

バルトリン腺はエンドウ豆大の分泌腺で、分泌液は性交時の潤滑剤として機能しています。膣の入り口の左右(時計で5時、7時方向)にある開口部から分泌されますが、開口部が詰まって分泌液がたまり外陰部が腫れた状態をバルトリン腺嚢胞といいます。バルトリン腺炎は分泌液の通り道に感染が起こり炎症を起こした状態で、進行して膿がたまった状態をバルトリン腺膿瘍といいます。ブドウ球菌や大腸菌、その他の細菌の複合感染を起こしていることが多く、性感染症であるクラミジアの感染があることもあります。

バルトリン腺嚢胞・膿瘍の症状

バルトリン腺嚢胞・膿瘍は発症原因や進行具合などによって、症状が異なります。炎症を伴わないバルトリン腺嚢胞は基本的に症状は軽く、外陰部の違和感程度で痛みはなく、嚢胞が小さい場合には発症に気づかないこともあります。感染が起こり炎症が進行すると、膿がたまったバルトリン腺膿瘍となります。痛みや腫れのため歩いたり、立ち座りなどの動作が困難になったり、排尿・排便障害をきたすこともあります。

バルトリン腺嚢胞・膿瘍の治療法

バルトリン腺嚢胞は腫れが軽度で症状がないようであれば経過観察します。何らかの症状があるときは治療の対象となり、炎症が軽度の場合は原因菌に適した抗菌剤と必要であれば消炎鎮痛剤を使用して、外陰部を清潔に保つようにします。膿瘍を形成して症状が激しい場合は、針で刺したり切開してたまった膿を排出します。手術の第1選択としては切開部位が閉鎖しないようにするバルトリン腺造袋(開窓)術が行われます。この手術はバルトリン腺の分泌機能を温存することができます。このような治療を行うことで、腫れと痛みは軽快しますが、膿瘍の再発を繰り返す場合、造袋術を行っても再発する場合、腫瘍が疑われる場合はバルトリン腺摘出術が行われます。婦人科を受診し、自分の症状に適した治療を行いましょう。

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