
運動療法Q&A

運動は病気に対する治療効果だけでなく、体力を向上させ、筋力や柔軟性を改善し、心理的にも有用であり、生活の質を高める作用も期待されます。
千葉県医師会・健康スポーツ医学研究委員会は一般県民に役立つ知識をQ&A形式でまとめてみました。




息がハーハーしないウオーキング、水泳などの持久運動をしましょう。 一年を通して屋内でできる足踏み運動もお勧めです。 家の中でテレビを見ながらリズミカルに歌を口ずさみながら足踏みをするのです。 但し、肘を曲げてゆっくり腕を大きく振り、 膝もなるべく高く上げることがポイントです。 初めは、一日・30回ぐらいから開始し、最終的には 一日・300回はやりましょう。 1週に最低3日以上、1回に10分以上はしましょう。 ウオーミングアップとクールダウンも大切です。



・ | 強い動機を持つことです。 高血圧・糖尿病などになりたくない、薬を飲みたくないなどです。 |
・ | 体力の低下(柔軟性、持久力、筋力)に気付くことです。 (質問⑪を見て下さい) |
・ | 体重表(起床直後、就寝直前の排尿直後の体重)を毎日記録し、 このグラフを壁に貼り家族の励ましをうける。 |
・ | 日常生活では、スローライフを心掛ける。 |
・ | 歩かざるを得ない状況を作り出す。 わざわざ不便にする。わざと遠回りをする。 「便利になることがよい」という考え方を捨てる。 頑張ってやらないとできないようなことは目標にしない。 |
・ | 習慣で歯を磨くように、自然体で出来ることを心掛ける。 |
・ | 同じ目的を持った仲間を作る。 |



どのような運動を、どの程度の頻度・時間・強さでやれば効果的で安全かを具体的に示したもので、突然死などを防ぐための処方です。糖尿病・高血圧・高脂血症などの生活習慣病、肥満症などの方が運動をするときは必ず必要です。是非かかりつけの先生に相談して処方してもらって下さい。


中高年の方が安心して運動できるように、運動の事前に受ける 医学検査、体力測定などの事をいいます。 医学検査の中身は、心電図・胸部レントゲン・貧血検査・肝機能 ・コレステロールなどの脂質・血糖・腎機能・検尿などです。 病的変化のある方、競争的な要素のある運動をする方は 運動負荷試験を是非お勧めします。


体脂肪を予想する目安で、 BMI(Body Mass Index)=体重÷身長2で示されます。21~23以内が良く、多くても少なくてもいけません。 ちょうど良くても隠れ肥満では駄目で、BMIはあくまでも一つの目安です。また、肥満でも皮下脂肪型ならまだましですが、内臓脂肪型はいけません。貴方はどちらのタイプ?(ウエスト/ヒップ比も参考になります。)



もちろん、必要です。脂肪は細胞を作るために是非必要なものです。 さらに体脂肪は、飢えた時に生き抜く為のエネルギー源です。 例を挙げてみましょう。
もし無人島に漂流して体脂肪だけで何日生きられる?
<例1>
もし貴方の体重が72kg、体脂肪が40%とすると貴方は無人島で遭難しても、水さえ有れば100日間は死にません。大丈夫。
<例2>
しかし貴方の体重が72kg、体脂肪が10%とすると 貴方が無人島で遭難して、水が有っても25日間しか生きられません。
つまり、体脂肪が多い方が、飢えた時には有利なのです。 痩せにくいのは、飢えに強いということ。日本人は人種的にみて特別に痩せにくい人種なのです。 アメリカ人をキャデラックに例えると、日本人は燃費の良いシビックと言うところでしょうか。



運動しすぎのために、疲労が蓄積する状態です。筋肉痛などとは別に、食欲の低下、意欲の低下、情緒不安定などの症状で出現することもあり、検査上の異常は認めないことが多いので注意が必要です。十分な休養が取れればすぐに改善します。



かかりつけ医と相談し、メディカルチェックを受け、個々にあった適切な運動処方をもとに運動することです。ランニング、ゴルフ、ゲートボールなど軽い運動で突然死が多いのは、まさか自分がという過信が原因です。また、一日の中では早朝から午前中、一週間の中では月曜日に多いようです。



家庭血圧を測定することは、たくさんの血圧値の情報を得ることが可能となり、血圧の正確な判定の助けとなります。さらに健康に対する自己管理意識を高めます。 家庭血圧は、通常は起床後1時間以内、朝食前、服用前の安静坐位の血圧を測定します。さらに可能であれば、夕食と入浴後を避けた就寝前の血圧測定も行うと良いでしょう。両者の差の大きい場合、早朝高血圧の可能性があります。家庭血圧における高血圧の基準はおおよそ130~135/80~85mmHg前後以上です。なお、指あるいは手首での血圧測定は、原理的にも実際的にも不正確になりやすいのでお勧めできません。また、家庭血圧が正しく測定されるように、カフを巻く位置と巻き方、いつも一定条件下で計測することなど測定方法をかかりつけの先生に教えてもらうことが大切です。



運動と食事療法は夫婦のような関係で、どちらが欠けても体脂肪の減量はうまくいきません。運動療法だけの消費カロリーは非常に少ない。食事療法だけでは、基礎代謝が低下して一日1000カロリーでも痩せない体になってしまう。両方同時に遂行すると、基礎代謝が高まり、太りにくく体脂肪を燃焼しやすい体ができるのです。


片足立ちテスト
このテストで、自分の体重を自分の脚力で支えられるかどうか簡単に知ることができるし、将来寝たきりになりやすいかどうかも予測できます。椅子に両腕を組んで座った状態から、片足立ちできるかどうか試してみましょう。 立つ瞬間、両腕を体から離し反動をつけてはいけません。椅子の高さが30cmでできればまあまあです。50cmの高さが出来ない人は、将来介護保険のお世話になる日が間近に迫っていますよ。
