浦安市医師会

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健康コラム2020年

高齢者のうつ病 □お薬と目 □高齢者の睡眠 □小児の腹痛


高齢者のうつ病

うつ病は、どの年代でも発症することがある病気ですが、高齢者のうつ病では成人に見られるうつ病とは違う症状になることがあり、注意が必要です。時には認知症と似た症状になり、診断が難しいことがあります。何となくボーっとしている、元気がない、といったことから始まり、物忘れが出てくる事もあります。これらは、認知症でもよく見られる症状です。そのため、高齢者のうつ病を「仮性認知症」と呼ぶ事があります。
他の特徴として、身体の症状が多く、頭痛、動悸、めまい、食欲不振、肩こりなどを訴えて内科など、精神科以外の診療科を受診することも珍しくありません。また、成人のうつ病では、転職、職場での人間関係などの仕事上のストレスが発症のきっかけになりやすい傾向がありますが、高齢者の場合は自身の退職、配偶者の死去、老化に伴う精神的・肉体的な衰え、身体の病気などがきっかけで発症しやすいという特徴があります。

【浦安わかくさクリニック 院長 織茂 圭祐】


お薬と目

眼科を受診される方の中には、服用しているお薬を申告されない方が時々いらっしゃいます。内服薬は眼科には関係ないと思われるのが理由です。
 見えにくくなった、視野が狭くなった、ものが歪んでみえるといった大きな症状から、涙が出る、目が痛い、目が赤いなどといった症状なども、実は今服用している薬が原因ということがあります。 抗がん剤をはじめ抗結核剤、精神安定剤、ステロイド薬、女性ホルモン剤、不整脈のお薬まで、様々なお薬で目に症状がでることがあります。 しかもこれらの眼症状を起こす薬の大部分が、服用して数ヶ月、長いと2年ぐらいしてから症状がでます。服用開始から数ヶ月が経過しているため、処方していただいている先生には相談されず直接眼科を受診されます。原因の特定が遅れれば、治療の開始が遅れます。あなたの目を守るためにも、眼科を受診される際にはお薬手帳など服用しているお薬がわかるものを必ずお持ち下さい。

【二宮眼科 院長 二宮 久子】


高齢者の睡眠

高齢者は加齢とともに睡眠が浅くなります。これは加齢による体内時計の変化によるものです。高齢者では深い眠りのノンレム睡眠が減り、浅いレム睡眠が増えます。高齢者の睡眠の特徴には、起床・就寝時間とも早い、寝床に入ってもなかなか入眠できない、トイレなど途中で覚醒する回数が多い、眠りが浅く熟睡感が少ない、朝早くに目が覚めてしまう、などがあります。浅いレム睡眠の時間が多くなるのでちょっとした刺激や尿意などでもすぐに目覚めてしまうのです。これらは加齢とともに起きている自然の現象です。
熟睡感を求めて医師に眠剤を希望する高齢者の方がいらっしゃいます。眠剤を飲むことで寝付きが良くなり熟睡感は得られますが、眠剤を飲むことで転倒による骨折の危険や記憶力の低下を起こすことで日常生活に支障をきたすこともあります。安易に眠剤に頼らない自然な睡眠のほうがよいと思います。

【新浦安駅前コシノ内科 院長 越野 健】


小児の腹痛

①腹痛とは
腹部に感じる痛みのことであるが、年齢によって表現が異なります。
(乳児、年少時は言葉で上手に表現できません)
②原因
急性胃腸炎や便秘症などの消化器疾患が原因のことが多いですが、稀に心疾患や呼吸器疾患などが原因の事もあります。緊急性を要する疾患が原因の事もあり、腹痛は注意が必要な症状です。
③初期治療と注意すること
原因によって治療は様々です。(薬物療法、食事療法、精神療法)
緊急に外科的治療が必要な場合もあります。(急性腹症)
急性腹症とは、「腹痛で発症し、急速に症状の進行を認め、治療として外科的手技が必要となることが少なくない疾患群の正式な診断がつくまでの診断名」と定義されます。急性腹症を疑う症状を挙げます。
○急激な発症 ○顔色不良 ○機嫌が悪い ○活気不良
○意識障害 ○頻回嘔吐(胆汁性) ○粘血便 ○吐血 ○下血
このような症状を認める場合は速やかな受診をお勧めいたします。

【浦安こども診療所 院長 青柳 陽】

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