浦安市医師会

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健康コラム2014年

社交不安障害 □過敏性大腸について □風疹 □流涙症


社交不安障害

人前で話したり挨拶するのが不安で、そのような場面を恐れて避けたり、学校や会社を休んだりして日常生活に支障をきたしていませんか?
それは社交不安障害という病気かもしれません。
社交不安障害(SAD(エスエーディー))とは、人前など社交場面で強い不安を感じるもので、単なる内気な性格とは違い、治療のできる病気なのです。最近の研究では、脳の扁桃体という部分が過敏に反応することで生じるといわれており、薬による治療の効果が期待できる病気です。症状としては、動悸、冷や汗、手足・声が震える、赤面、言葉がどもる、下痢、腹痛などがあります。パニック障害と似ていますが、パニック障害では人前での場面がきっかけとならないので、SADと区別されます。治療はSSRIという薬を使いますが、すぐには効果が現れません。数週間はがまんして服用を続けていると少しずつ効果を感じるようになります。当初は特に不安に感じる場面では即効性のある抗不安薬なども併用します。症状が改善しても半年から1年くらいは服用してください。以下の四つが当てはまれば、社交不安障害の可能性があります。

①人前で話したり、挨拶するのが極度に不安ですか?
②自分でも怖がり過ぎていると思いますか?
③それはわざわざ避けたり、じっと我慢しなければならないほどですか?
④日常生活が妨げられたり、苦痛を感じていますか?

治療をしないでいると、うつ病やアルコール依存などを引き起こす原因となり、社会的にもひきこもるようになることもあります。
安心して早めにメンタルクリニックにご相談ください。

【クリニック米澤 院長 米澤 洋介】


過敏性大腸について

緊張したりストレスを感じたりすると、急に便意を催したりおなかが痛くなったりすることは、健康な人でも時々はおこることですが、それを毎日繰り返したり、程度がひどく、日常生活に支障をきたす人が増えています。
おなかの中には腸管が7m近くもありますが、普段は自律神経の調節で自然に動いているのですが、途中で動きが悪くなりガスがたまったり、痙攣のように動くと強い痛みや不快感を生じます。

ひどい下痢や便秘をした時と似た状態です。これが連日続くのだから大変です。 この様なことは腸の腫瘍や炎症でもおこりますが、検査をしても具体的な異常(器質的病変)がなく、自律神経の失調等により腸の働きが変調をきたして様々な症状を起こすことが増えており、過敏性腸症候群といわれています。 不規則な生活習慣やストレスが原因となっていることが多く、そういう意味では現代病の典型と言えるかもしれません。
下痢や便秘や腹痛でも単一の症状をくりかえすのならば、薬で症状を緩和するのも容易ですが、困ったことに下痢と便秘を交互に繰り返すこともあり、薬の使い方が難しい(うまく効かない)こともしばしばあります。またストレスや生活習慣が改善されないと一向に治らないこともあり厄介です。
勿論症状だけからでは判断できませんので、一度は大腸内視鏡等きちんとした検査を受けた方がよいですし、長期に渡る場合は心療内科的な治療が重要であったり、生活習慣の抜本的な改善が必要な場合もあります。

【神谷内科クリニック 院長 神谷 尚志】


風疹

風疹は、発熱、発疹、リンパ節の腫れを特徴とするウイルス性発疹症です。
発熱は37.5℃以上で発疹の出現前後からみられ、発疹は淡いピンク色で顔から体、手足へ広がります。リンパ節の腫れは、耳介後部、後頭部、頚部に著明で、しばしば痛みを伴います。潜伏期は、感染から14~21日間です。しかし、いずれかの症状を欠くものを診断することは難しいです。溶血性レンサ球菌(溶連菌)感染症、伝染性紅斑(りんご病)、修飾麻疹、エンテロウイルス感染症、伝染性単核球症などの感染症や、薬疹との鑑別が必要になります。確定診断をするには血液検査を必要とする場合もあります。風疹は学校保健安全法では第二種の感染症に指定されており、「発しんが消失するまで」を出席停止の期間の基準としています。ただし、病状により学校医やかかりつけ医が感染の恐れがないと認めたときは、この限りではありません。

何よりも重要なことは妊娠20週頃までの妊婦が風疹ウイルスに感染すると、胎児に影響することです。先天性の心疾患(動脈管開存症など)、難聴、白内障、などを合併する先天性風疹症候群を発症することがあります。
唯一の予防方法はワクチンをうつことです。未就学児は麻疹風疹ワクチンが定期接種になっています。しかし、小児だけでなく成人も男女ともにワクチンを受けておきましょう。それがひいては流行を抑制することにつながります。ただし、妊娠中の風疹ワクチン接種はできません。女性はワクチン接種後2~3ケ月間は妊娠を避けましょう。

【太田の里クリニック 院長 太田 久朗先生】


流涙症

涙が瞼(まぶた)よりこぼれる状態をいいます。
涙の分泌と排出のバランスが崩れた時に、流涙やドライアイ(乾燥)となります。分泌が増えたり、排出が悪くなったりすると、涙が瞼の外に溢れます。涙は涙腺で生産され、結膜と角膜を潤しその後涙嚢、鼻涙管に吸い込まれます。そして鼻、喉に流れて行きます。泣いた時に鼻水が出るのはこの為です。
 涙の量が増える原因は、目に入ったゴミ、煙や寒い日・冷たい風などの外気の刺激、細菌やウィルスの感染、花粉症などのアレルギー反応、ドライアイが原因の角膜炎、悲しい時嬉しい時の情動に関連してなどが有ります。

一方、排出が悪くなる原因は、鼻涙管が細くなったり詰まった時、涙嚢の吸い込む力が機能的に衰えた場合です。
治療は、まず涙の量を増やしている原因を取り除きます。ゴミなら除去し、抗菌薬や抗アレルギー剤などを点眼する事です。 鼻涙管が閉塞している場合は、手術となります。 症状は重篤でない場合も多いのですが、比較的治療が難しい例として、年齢が高い人で寒い日や、冷たい風に当たった時に起こる流涙症があります。高齢になりますと、涙嚢の機能が衰え吸い込む力が低下して、冷気で増えた涙を排出出来ず、瞼より溢れます。我慢して貰うことが多いですが、保護メガネやステロイドの目薬が効くことも有ります。

【ももせ眼科 院長 百瀬 隆行】

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