エボラ出血熱について


この病気は今から約40年前に中央アフリカの小さな村で始まりました。
それは翼を広げると2mもあるオオコウモリやサルをジャングルの奥地で食用にしようと捕まえたヒトから発症しました。一度感染すると死亡率の高いこの病気も、小さな村々から周りに広がらないように病気を封じ込めて抑えることに全力を注ぎました。その結果、600人くらいのヒトがかかっただけで病気の流行は収まりました。


ところが今回は3月に西アフリカのギニアで発生して、あっという間にお隣のリベリアとシエラレオネに拡大しました。そして9月5日現在では3.967名のヒトがかかり、2.105名が死亡しており死亡率は52%とかなり高い結果になってしまいました。一番の問題は今回の流行地域が首都などの大都市に起きていて、封じ込めるのがなかなか困難な状況となっています。この原因ウイルスはこれまでに5種類見つかっており、ウイルスごとに死亡率は25%から90%となっています。


この病気はオオコウモリの住む洞窟探検をして感染したり、また病気で亡くなったヒトの体を素手で洗い清める風習があり、そこからこのウイルスに感染したのではないかと思われています。症状は2日から3週間の潜伏期ののちに発熱と筋肉痛、頭痛、咽頭痛が突然現れますので、まるで重症インフルエンザのようです。ところが続いて嘔吐、下痢、発疹が出てきて肝臓と腎臓の機能が低下し、出血が全身に起きてきます。現在の予想では今後6か月から1年ほど流行が続き、約2万人のヒトが感染するのではと予想されています。


それではこの病気が日本に入ってくる可能性について考えてみます。
現在ヨーロッパの国では3か国からの直行便のフライトを取りやめて空港での検疫を行っています。日本でもこれらの国からの帰国者で、38℃以上の発熱と感染の機会があったヒトに対して厳重なチェックをしていますが、これまでのところこの病気は国内に入ってきていません。


世界はより便利になって飛行機に乗ればすべての国へ1日で飛んで行けますし、また戻っても来られます。このような中でいつも感染症の発生情報には耳を傾けていて、またすべての病気予防に通じることですが、うがいと手洗いをきちんとすることが大切です。

堀部 和夫