地域医療ニュース

茂原市で地域医療フォーラム・住民対話集会
「子どもの救急と地域の医療を考える ~長生郡市の医療をみんなで守る~」を開催

2013. 06.24   文/梅方久仁子

夜間救急の充実法は?

 「夜間救急を充実するには、どうすればいいのか」という質問に、宍倉氏より「今は医師の専門化が進み、専門外のことは分からない。ところが訴訟などの問題があり、専門外でも広範囲に診る救急は、大学から派遣されてくる非常勤医師には引き受けてもらえない。専門外だということを住民が了解した上で何らかのバックアップ体制を取れば、引き受け手が増えるのではないか」と回答があった。

住民からの質問に答える宍倉氏(右)と清水氏(クリックすると拡大します)

 夜間救急でのトラブルについて、会場から「夜間に強い腹痛と下血が止まらなくなり、救急車で遠くの病院に運ばれた。時間がかかって、大変苦しかった。もう少し近くで診てもらえれば楽だったのに」と発言があった。宍倉氏から、「重症に対応できる病院がこの地域にはないので、遠方への搬送はやむを得ない。圏央道が開通し、東金市に東千葉メディカルセンターができれば、改善される」と回答があった。また、圏外搬送について村松氏より「山武長生夷隅医療圏は管内に3次救急病院がない。重症患者は、昼間なら日本医科大学千葉北総病院と君津中央病院にドクターヘリで10分くらいで搬送できる。夜間で、かかりつけ医や当番医が対応できない場合は、救急車で圏外に搬送する」と説明があった。

 さらに宍倉氏から、「全国的には、搬送にもっと時間がかかる地域もあるので、ここが特別状況が悪いわけではない」と説明があった。

住民対話集会の様子(クリックすると拡大します)